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中国にもサルがいますか?

已有 13490 次阅读 2011-2-23 15:23 |个人分类:灵长类学原创|系统分类:海外观察|关键词:学者| 中国, 海南, 生物学, 日本, 免疫学

 日本の友人が私によくする質問です。はい、中国にもサルがいます。5属21 種の現生霊長類が分布しますし、7 属40 種あまりの化石種も知られています。そのうちシロアタマリーフモンキー(白頭叶猴)、タイワンザル、チベットモンキー、そしてキンシコウ3 種が、中国にしかいない固有種です。霊長類は人類の疾病のモデル動物として、あるいは薬物開発や神経科学、ゲノムや幹細胞研究などの基礎研究分野でおおいに貢献しています。霊長類学は中国でも非常に重要な学問だと思います。中国にすむサルをあつかった論文は1863 年から1990 年までの間に2000 ほどあって、生物学、生態学、保全学、免疫学、神経学など多くの領域にわたっています。ただし、ほとんどの論文は中国語によるもので、外国の研究者との交流はほとんどありませんでした。
  残念なことに、中国のサルは急速に数を減らしています。たとえば、海南島のテナガザルは絶滅に瀕していて、1960 年以前には2000 頭もいたのが、2000 年時点ではわずか19 頭になってしまいました。野生アカゲザルは1998 年にはおよそ25.4 万頭いたのですが、2004 年には7.8 万頭に減ったといわれています。チベットモンキーも1998 年の10 万頭から、2004 年には1.7 万頭にまで減ったようです。原因は環境破壊、人為捕殺、違法な野生動物取引などです。たとえば中国動物研究所の李義明研究員によると、広西壮族自治区のとある畜産品輸出会社は、1974 年から1980 年まで毎年2 万頭あまりの野生アカゲザルを違法輸出していました。また別の医薬原料会社は、この間毎年1229kg のサルの骨(819 ~ 1092 頭のアカゲザルに相当) を買いつけています。サルを保護するため、中国政府は違法な狩猟と取引を厳しく処罰する政策を打ち出し、「野生動物保護法」などの法律をつぎつぎと公布して、すべてのサルが保護動物になりました。また、2007年までに40 か所の霊長類保護区が作られています。ただ、これらの保護活動が有効だとしても、中国の各種霊長類の個体数回復にはまだまだ長い時間がかかると思われます。  私の研究対象は中国で最も有名なサル、キンシコウです。漢字で書くと「金糸猴」で、キラキラした金色のサルを思わせます。実際は、4 種類いるキンシコウのうち、3 種類は金色ではなく、金
色なのはシセンキンシコウ1 種類だけです(図1)。キンシコウの仲間は、トンキンキンシコウがベトナム北部に分布していますが、ほかの3 種類は中国にしか分布していません。その4種類のキンシコウすべてが絶滅の危機に瀕しています。トンキンキンシコウは350 頭しかいないといわれていますし、キシュウキンシコウは推定で800 ~ 1000 頭です。ウンナンキンシコウも1200 頭程度しかいないとのことです。それと比べると、私の調査対象であるシセンキンシコウはまだ1.2 万頭ほどの生息が確認されており、絶滅のおそれが比較的少ない種です。キンシコウは深く険しい山中にすんでいて、観察が非常に難しいため、野生状態での研究は非常に少ないのが実情です。 
     キンシコウの社会と生態の謎を解くため、私は1999 年から、中国西安市にある西北大学の李保国先生、京都大学の和田一雄先生、渡邊邦夫先生と一緒に、陜西省秦嶺山地の野生キンシコウについての研究を8 年間おこなってきました。最初のころ、キンシコウは人をたいへん恐れていたので、テレスコープを用いた50 ~ 200m の遠距離観察しかできませんでした。キンシコウの群れの活動範囲はたいへん大きく12km2 もあるので、毎日群れを見つけるだけで何時間もかかり、実際の観察はほんの短時間、詳しい社会行動の記録はとてもとれませんでした。そこで和田先生の発案で、2000 年冬から最低限の餌づけを試みました。しかし、キンシコウは餌として与えたリンゴやダイコンをなかなか食べてくれません。餌づけに成功するまでに1 か月半かかり、12 月23 日、ついに3 歳ぐらいのコザルが餌場に来てリンゴを食べはじめました。ほかのサルはみなそのコザルを見ていました。その後、群れはほとんど毎日餌場に来るようになり、餌を食べる個体が増えていきました。毎日近くでサルの観察ができ、私は群れの一頭一頭に名前をつけていきました。 野生群における識別個体は、キンシコウの社会生態研究に新しい展開をもたらしました。キンシコウは、重層社会という霊長類のなかでも特異な社会構造を有しています。一夫多妻集団が社会の基本単位なのですが、いくつもの基本単位が集まって大きなバンドを構成しているのです。こうした複合社会は、家族、集落、地域コミュニティ、さらには国家というような重層構造をもった人間社会のアナロジーとしてもとらえられ、その成立と変動のメカニズムを解明することは、人間社会を理解するうえで大きな役割を果たすかもしれません。
   中国と日本には、歴史的に多くの点で共通した伝統文化があります。私は日本の霊長類学の考え方を、共感をもってとらえることができます。それが両国の霊長類学発展のための基盤だと思います。今後、日本の霊長類学を中国に紹介し、両国霊長類学の発展と交流に微力をつくしたいと思います。
 

Four species of Snub-noused monkeys(a Tonkin snub-noused monkey, 越南金丝猴;b Guizhou snub-noused monkey, 黔金丝猴;c Yunnan snub-noused monkey, 滇金丝猴;d Sichuan snub-noused monkey, 川金丝猴)

 

(根据 ‘ 張鵬, 2009年, 中国にもサルがいますが. 阿形清和編、生き物たちのつづれ織り。京都:京都大学学術出版社。pp 113-116.’修改



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